この事業は西部ガスグループの中華料理八仙閣本店ビルの老朽化に伴う建替え事業をベースとしているため、営業中の店舗を休業させずに施設をつくるというテーマのもと検討され、博多駅エリアの新たなランドマークとなる商業施設をめざしスタートした。今回竣工した施設は複合商業施設「TERASO」の1期ビルとして、核テナントである八仙閣専有の施設が完成したこととなる。施設全体のデザインは『陰陽五行思想』をコンセプトとし、一期ビルはその片方を象徴的にデザインした。火の芸術と言われる中華料理をテーマに外観には『ストーブ』というモチーフを用いた。店内の燃えさかる炎が金属の五徳のような格子から噴き出すイメージである。黒い外壁はプレパレン処理したコールテン鋼で覆われ、ファサードの格子は視線を制御するだけでなく熱負荷を低減させる。格子越しに漏れ出る室内の明かりは煌々と燃える炎を表し、筑紫通りの新たなアイコンとしての存在感を主張している。